胃カメラ
(上部消化管内視鏡検査)
胃カメラ検査
(上部消化管内視鏡検査)
とは
胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)は、細長いスコープを口や鼻から挿入し、テレビ画面で食道、胃、十二指腸までを調べる検査です。検査にかかる時間は5分程度です。
胃がん・食道がんなどのがん検診の目的や、腹痛・胸やけ・飲み込みづらいなどの原因を調べるために実施する大切な検査です。
まずはご相談ください
当院の胃カメラは、眠っている間に検査を受けることができます。鼻からの細い内視鏡も準備しております。また炭酸ガスを使用するため検査後の腹部の疼痛も大幅に抑えることができます。
しかし、いざ胃カメラを受けるとなると不安が強かったり、ためらわれてしまう方がいらっしゃるのも事実です。そのお気持ちは非常によくわかります。
消化器症状でお悩みの方は、当院の【消化器内科専門外来】の予約をお取りください。消化器内科専門医が診察し、胃カメラを受けるべきか否かも含め、症状に応じてご相談に乗らせていただきます。
当院でおこなう
胃カメラの5つの特徴
1. 静脈麻酔を使用します
内視鏡検査は、少なからず苦痛を感じる検査でした。むせ込んでしまったり、「オエッ」と嗚咽(おえつ)を生じたり、お腹が膨らんで苦しくなったり、検査を受ける方には勇気がいる検査でした。
当院では、可能な限り安心して楽に検査を受けていただけるように静脈麻酔を用いた検査をおこなっております。
静脈麻酔を使用して、ウトウト眠っている間に検査を実施することで、「検査されていることすら気がつかなかった!」「もう終わったんですか?」とおっしゃられる方も少なくありません。
苦痛が和らぎ、嘔吐反射がおさまることにより、胃の中をよりくまなく観察することができるようになるというメリットもあります。
医師の検査技術によって患者様の苦痛を減らすことはできますが、それだけでは限界があることも確かです。
「苦しい検査は嫌だ」という方に当院では、静脈麻酔を用いた検査を積極的にお勧めしています。
- 静脈麻酔を使用した当日は、車の運転は出来ません。
- アレルギー反応などの副作用が出現する可能性があります。
- 重篤な疾患がある場合や、ご高齢の方にはできない場合もあります。静脈麻酔の使用に関しては、診察の際に医師にご相談ください。
2. 細径・経鼻内視鏡を使用します
当院では、可能な限り安心して楽に検査を受けていただけるように、鼻からの内視鏡(経鼻内視鏡)も実施しております。
径の細い内視鏡を、鼻から挿入する(経鼻)ことにより、口から挿入する(経口)内視鏡にくらべ、嘔吐反射や不快感が少ない状態で検査を受けることができます。
患者様のリクエストに応じて検査方法を選べるよう配慮いたしておりますが、細径の経鼻内視鏡か、通常径の内視鏡のどちらの内視鏡を使用するべきかについては、診察の際に医師にご相談ください。
3. 二酸化炭素送気を使用します
当院では、胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)は、二酸化炭素を送り込み、胃を膨らました状態で観察しています。従来は空気を送り込んで胃を膨らませていましたが、検査後も腹部膨満感が続き、苦しまれる患者様が少なくありませんでした。
当院では胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)のすべての症例に二酸化炭素を使用しています。空気は使用しておりません。
4. 内視鏡専門医が実施します
当院で検査を実施する医師(院長)は、大学病院で25年間にわたりたくさんの内視鏡診断・治療・研究に携わってきたベテラン医師です。日本消化器内視鏡学会の認定専門医・指導医であり、国内・海外での内視鏡指導経験も豊富で、多くの若手内視鏡医の指導にもあたってきました。難易度の高い治療も数多く実施し、多くの早期がんの患者様の治療を行ってきました。検査は、可能な限り短時間で最大限の情報が得られるよう、適切な診断・治療を行い、患者様の身体的な負担を最小限に努めています。
院長の実施している内視鏡治療例
(ともに内視鏡的粘膜下層剥離術:ESD)(早期食道がん)
Mt,0-IIb+IIa,poorly differentiated SCC, pT1a-MM INFb, ly(+), v(+) 36x24mm (56x40mm)
5. AIによる自動診断システムを導入しています
画像診断はAIが得意とする分野の一つです。胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)も画像診断であり、AIとの相性が良い検査です。
近年、「がんの見逃し」防止の精度をより向上させるために、内視鏡検査のためのAIが開発されました。リアルタイムで病変を検出し、がんかポリープか、がんだとしたらその深達度や分類までを判定してくれます。
全ての診断をAIにゆだねるわけではありませんが、病変の見落としを減らし、より正確な診断、治療へつなげていくための補助として、これほど有用なシステムはありません。当院では富士フィルム社の内視鏡診断支援システム(CADEYE EX-1)を導入しています。
高精細な画質とAIによる病変検出や診断支援機能を併用して、最高水準の内視鏡診断を実施しています。
当院の内視鏡システムについて
当院では、最新の富士フイルム社製内視鏡「ELUXEO 7000 SYSTEM」を使用しています。
経鼻内視鏡だけでなく、病変があったときには、拡大内視鏡とBLI(blue laser imaging)、LCI(linked color imaging)といった特殊光による画像強調内視鏡(IEE:Image Enhancement Endoscopy)を使って、良性・悪性鑑別や領域の広さなどをより正確に診断することが可能です。
このような症状の方は
胃カメラを受けましょう
- 上腹部の痛み(心窩部痛)
- 胃もたれ、胸焼け、胃の不快感
- 食欲低下
- 飲み込む際に、のどまたは胸のつかえ感がある
- 吐き気、嘔吐
- 吐血
- 黒い便が出る(黒色便)
- 貧血を指摘された
- 体重が急に減った
- バリウム検診で異常を指摘された
- 過去に胃潰瘍、十二指腸潰瘍になったことがある
- 肝硬変と言われている
- 食道がん、胃がんを治療したことがある
など
胃カメラ検査
当日の流れ
- 受付で、予約の際にお渡しした「問診票」(記入済み)をご提出ください。
- 当日の絶食・内服などを確認したのち、胃の泡を消す水薬(消泡剤)を内服していただきます。
- 経鼻内視鏡の方は、鼻の通りをよくするスプレー薬(血管収縮剤)を噴霧します。また、麻酔薬を塗ったチューブを鼻に挿入し、鼻粘膜の表面麻酔をおこないます。しばらくしたらチューブを入れ替えます。
- 経口内視鏡の方は、キシロカインビスカスという麻酔薬で、喉の奥を麻酔します。これは、検査による咽喉頭部(のど)の苦痛を少なくするためです。これ以降麻酔の効果がなくなるまでは、誤嚥してむせ込んでしまいますので、唾液を飲み込むことはできません。
- 胃腸の動き(蠕動:ぜんどう)を減らすために、検査直前に肩にブチルスコポラミン(ブスコパン)注射を打つことがあります。注射後2時間ほどは眼がチカチカしますので、検査当日は乗り物の運転はお止めください。
- 静脈麻酔(眠くなる鎮静剤)を希望される方は、腕に点滴の針を刺入します。
- 内視鏡用のベッドに左向きに横になって寝ます。経口内視鏡の方は、口を開けたままにするためのマウスピースを咥(くわ)えていただきます。
- 静脈麻酔を開始します(希望者のみ)。
- 検査中の咳などによる飛沫を防止するため、一部だけ穴の開いた内視鏡検査専用のマスクを装着していただきます。
- 検査担当医が内視鏡を鼻もしくは口からから挿入します。経鼻内視鏡の方は、内視鏡が鼻腔を通過しないときは、反対の鼻腔から挿入し直します。
- 静脈麻酔を希望されない方の場合は、医師から呼吸の合図などがありますので、指示に従ってください。
- 所要時間は5~10分程度ですが、条件によって前後することがあります。
- 静脈麻酔を使用したときは、検査後1~2時間は院内でお休みいただきます。
穏やかに検査を受けるコツ
- 唾液は飲み込まず、左の頬から枕に流れ落ちるようにします。
- 呼吸ができることが確認できたら、肩の力を抜き、目は固く閉じず、遠くを見るようにしましょう。
- 経鼻内視鏡検査が終了したあと鼻をかむ時は、優しくかんでください。鼻粘膜から出血することがあります。
- 内視鏡検査が終了したあとも、喉の麻酔効果が残っています。検査後1時間は、上を向いてのうがいや、飲水は避けてください。
- 静脈麻酔は、完全に鎮静効果が消失するのに6-12時間程度かかります。内視鏡検査当日は、乗り物の運転は絶対にお止めください。
- 鼻腔が狭かったり弯曲している場合、内視鏡が挿入できないことがあります。その際は、同日もしくは後日に、口からの挿入に切り替えて内視鏡検査を実施します。
胃カメラ
でわかる病気
胃がん、胃潰瘍、胃ポリープ、急性胃炎、慢性胃炎、逆流性食道炎、食道裂孔ヘルニア、ヘリコバクター・ピロリ感染、胃アニサキス症、十二指腸炎、十二指腸潰瘍、十二指腸ポリープ、食道がん、好酸球性食道炎 など