胃がん・食道がん
胃がん・食道がん

上記のような症状が頻繁に起こる、長く続いている方は胃がんや食道がんの可能性があります。
またがんでなくても、その他の病気の場合もあるため、いつもの体調不良と思っても、一度病院で診察してもらい、場合によっては専門医による胃カメラ検査を受けるようにしましょう。
胃がんは胃内に発生するがんです。がんの中でも男女合わせると、大腸がん・肺がんに次いで3番目に多いがんで、1年でおよそ100,000人以上が胃がんになっています。特に50代以上の男性に多く見られ、生活習慣の乱れなどが原因の1つにあげられます。
胃がんは初期症状が現れるものが少なく、進行しても症状が出にくいため、重篤化してから発見される場合が多いです。
また、スキルス胃がんという進行の早いタイプの胃がんも存在するため、早期の診断が非常に難しい病気です。
胃がんの原因としては、以下の理由が挙げられます。
感染すると周辺の粘膜を自らの酵素で中和し、生息します。感染状態が長くなると慢性胃炎を引き起こし、がんを引き起こす原因になります。詳しくは、ヘリコバクターピロリ(H.pylori)胃炎とはを参照ください。
50代を過ぎると、罹患率が急激に増えます。特に男性は死因の上位にあがるほどその割合は高くなっています。
胃がんの10-20%は、家族内に胃がんの方がいる(家系内集積)ことが分かっています。これは遺伝だけではなく、ピロリ菌の家系内感染、生活習慣や食習慣(喫煙や高塩分食など)を家族で共有していることによるリスク上昇などが含まれます。
一方で、CDH1遺伝子異常による遺伝性胃がんや、ピロリ菌感染しているときに胃がんの発症がし易くなる遺伝子異常も分かってきており、家族に胃がんの方がいるときは注意が必要です。
胃がんの検査には内視鏡検査、バリウム検査、CT検査、MRI検査などがあります。これらの検査は医師の判断に基づき、患者様の状態やリスクに応じて適切に選ばれます。
特に、内視鏡検査は直接胃の内部を観察できるため、小さな異常や病変でも見逃しにくく、胃がんの発見に非常に有効な検査です。そのため、胃がんの早期の発見のために、定期検診や人間ドックなどで胃カメラ検査を受けることが大切です。
胃がんの治療は「内視鏡治療」「外科手術」「薬物治療」の3つが中心となります。
早期の胃がんの場合に用いられます。口や鼻から内視鏡を挿入し、内視鏡治療用の特殊なナイフで直接切除する方法です。内視鏡的粘膜切除術(EMR)や、より広範な病変も切除が可能な内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)などが行われます。
進行状態によって内視鏡治療が難しい場合に用いられます。手術により、がんと胃の一部または全部を取り除きます。病変の部位や進行度、組織型などから、切除範囲を決定します。
近年は、腫瘍の大きさ・場所・深さやリンパ節転移の状況などによって、開腹手術では無く、腹腔鏡手術で、より小さな傷で切除ができるようになってきています。
外科手術後の再発防止、外科手術でがんを取り除くことが難しい進行例や、高齢や合併症を理由に手術の実施が困難(手術不耐)なときに用いられます。HER2,PD-L1、MSI、CLDN18.2といった、がん組織に見られる遺伝子異常やタンパク発現のプロファイルなど(バイオマーカー)によって、治療薬剤の選択が行われます。
参考文献
注意:本文の内容には細心の注意を払っておりますが、あくまで参考情報としてご活用ください。本内容をきっかけとした自己判断等により生じた体調悪化などの不利益の責任を負うものではありません。必ず、主治医・かかりつけ医等、医師の診察により自身の病状を判断いただき、適切な検査・治療方針を決定してください。
食道がんは、食道に発生する悪性腫瘍です。日本では年間2万人以上が罹患するとされ、特に50代以降の男性に多くみられます。食道がんは早期には自覚症状が乏しく、進行してから発見されることが多いのが特徴です。
初期には軽い飲み込みにくさや胸の違和感といった症状が出る程度ですが、病状が進むと強い嚥下障害や体重減少を引き起こし、生活の質に大きな影響を及ぼします。進行が早いタイプも存在するため、早期発見がとても重要です。
食道がんの主な原因として、以下の要因が知られています。
特にアルコールに弱い体質の方(顔が赤くなりやすい方)は、飲酒習慣によって食道がんのリスクが高まることが分かっています。
たばこに含まれる有害物質は食道粘膜に直接作用し、長期にわたり発がんリスクを上昇させます。
熱い飲み物や香辛料の強い食事を好む方、野菜や果物の摂取不足もリスク因子のひとつです。
50歳以上で発症が増加し、家族に食道がん患者がいる場合には注意が必要です。
食道がんの診断には、内視鏡検査、バリウム検査、CTやMRI検査、PET検査、血液検査などが用いられます。中でも内視鏡検査は、直接食道粘膜を観察でき、小さな病変でも確認しやすいため、早期発見に極めて有効です。また、内視鏡時に組織を採取し、病理検査で確定診断を行うことができます。定期的な内視鏡検査は、リスクの高い方にとって特に重要です。
食道がんの治療は「内視鏡治療」「外科手術」「薬物治療」「放射線治療」などが中心となります。
食道の表面にのみ見られる食道がんでは、内視鏡を用いて病変部を切除することが可能です。体への負担が少なく、機能を温存できる点が特徴です。
転移の危険のある食道がんでは、食道の切除やリンパ節の郭清を伴う大きな手術が行われます。術後の生活に配慮した再建法が工夫されています。
切除可能な進行食道がんの術前化学療法が行われます。また、外科手術後の再発防止、外科手術でがんを取り除くことが難しい進行例や、高齢や合併症を理由に手術の実施が困難(手術不耐)なときに用いられます。
近年では分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬も導入され、治療の選択肢が広がっています。
食道がんは症状が出にくい一方で、進行すると治療が難しくなる病気です。嚥下時の違和感や胸のつかえ感など、少しでも気になる症状がある場合には早めの受診をおすすめします。
参考文献
注意:本文の内容には細心の注意を払っておりますが、あくまで参考情報としてご活用ください。本内容をきっかけとした自己判断等により生じた体調悪化などの不利益の責任を負うものではありません。必ず、主治医・かかりつけ医等、医師の診察により自身の病状を判断いただき、適切な検査・治療方針を決定してください。
胃がんや食道がんは命にかかわる恐れのある病気であり、早期診断・治療が不可欠です。
胃カメラ検査は早期の発見と、適切な治療を施すためにとても重要な役割をしています。症状が出にくい初期の胃がんや食道がんには、定期検診や人間ドックが有効です。
当院では患者様ファーストで安心安全で快適な診療を心がけております。胃の症状でお悩みの方、胃カメラ検査をお考えの方は、ぜひ東京都台東区にある上野御徒町内科クリニックまでお気軽にお問い合わせください
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