大腸ポリープ・大腸がん
大腸ポリープ・大腸がん

これらの症状が続いている方は、単なる体調不良と考えるのではなく、専門医に相談することをおすすめします。
大腸がんは、大腸の粘膜組織に発生する悪性腫瘍の総称です。年におよそ160000人が大腸がんと診断されています。女性のがんの部位別死亡率では1位となっていますが、早期発見・治療ができれば、完治可能な病気でもあります。
特に40歳を過ぎた頃から発症リスクが高くなりはじめるため、40歳を過ぎたら一度大腸がん検診や人間ドックを受けることをおすすめします。
近年の統計によれば、大腸がんによる死亡率は、がん全体の中で第2位を占めており、それは早期発見や予防策が不十分であることが一因とされています。大腸がんのステージはⅠ〜Ⅳまであり、大腸がんは進行するにつれて治療が難しくなります。
特に転移が確認されるStage IVでは、治癒が困難になるため早期の段階での発見が非常に重要です。
参考文献
大腸がんの検査には、主に便潜血検査、内視鏡検査、血液検査などがあります。
内視鏡検査では、肛門からカメラのついたスコープを挿入し、大腸内を直接観察することができます。この方法により、大腸のポリープや異常組織を早期に発見し、場合によってはその場で切除を行うことも可能です。
定期的な内視鏡検査を受けることで、大腸がんのリスクを大幅に減少させることができます。特に40歳以上の方や家族歴がある方は、一度大腸カメラ検査を受けましょう。

大腸がんの治療は大きく「内視鏡治療」「外科手術」「薬物治療」の3つに分けられ、どのような治療が適応になるかは、がんの進行度や身体の状態によって異なります。
内視鏡的胃粘膜下層剥離術(ESD)と呼ばれ、肛門から内視鏡を挿入し直接がんを切除します。転移の範囲やがんの深達度などの要因を鑑みて実施され、主に早期での治療として用いられることが多い手法です。この方法であればお腹を切ることなく、がんを切除でき、身体への負担も少なく済みます。
は大腸がん治療において幅広く用いられます。外科手術の方法は、がんのある部位(結腸、直腸)や進行具合により決められ、他の治療方法と組み合わせて行うこともあります。直腸がんで患部が肛門に近い場合は直腸を切除し、人工肛門になる場合があります。
外科手術後の再発防止や外科手術が実施できない場合、外科手術でがんを取り除くのが難しい場合に用いられます。がんの増殖を抑えたり、死滅させたりする効果があり、患者様の状態に合わせて適切な分量で使用します。
大腸がんは初期症状が現れにくく、定期的に検診や人間ドックを受けなければ早期発見をすることが難しい病気です。大腸がんの発見には、大腸カメラ検査が有効です。
検査を受けたことがない方は、大腸カメラ検査に不安があるかと思います。当院では「痛くない検査」「気軽に受けられる検査」を患者様に提供することを心がけています。
「大腸がんかもしれない」「全然検診を受けていなくて心配だ」という方は、東京都台東区の上野御徒町内科クリニックまでお気軽にご相談ください。

「大腸ポリープ」は、大腸内にできる良性の隆起性病変ですが、将来的に大腸がんへ進展する可能性があるため、早期の発見と治療が重要です。大腸ポリープの発生率は年齢と共に増加し、特に40歳以上の成人に多く見られます。ポリープは、良性のものが多いですが、特に「腺腫性ポリープ」や「鋸歯状病変(SSL)」は、大腸がんの前駆病変として知られています。50歳以上の人々の約30〜40%が大腸内にポリープを持つとされており、これらのポリープの早期発見・切除が大腸がん予防に大きく寄与します。
大腸ポリープは多くの場合無症状であり、大腸内視鏡検査を実施しない限り、発見することは困難です。ポリープが大きくなったり、悪性化が進行した場合、下痢や便秘、血便、腹痛などの症状が現れることがあります。
大腸ポリープの原因は複雑で、多くの因子が関与しています。遺伝的要因や家族歴がリスクを高めることが知られており、特に40歳以下での発症は若年発症型として注目されています。また、肥満、喫煙、食生活の影響も関与すると考えられています。近年、特に50歳未満での大腸がんおよびポリープの発生が増加しており、若年層における定期的なスクリーニングの重要性が強調されています。
大腸ポリープの診断には主に大腸内視鏡検査が用いられ、便潜血検査よりも優れた診断精度を持ちます。便潜血検査は便中の微量な血液を検出する手法で、簡便ですが、感度が低く、特にポリープの存在を見逃す可能性が高いです。一方、大腸内視鏡は直接ポリープを視認でき、その場で切除できるため、大腸がんの予防に非常に効果的です。
ポリープの種類には、腺腫(adenoma)と鋸歯状病変(SSLs)があり、特に腺腫は伝統的な腺腫-がん進展経路をたどる一方、SSLは独自の「鋸歯状経路」を通じてがんに進展することが知られています。SSLはフラットな形状のため、見つけにくく、見逃されやすい特徴があります。
大腸ポリープの治療は主に内視鏡的ポリペクトミーによって行われます。小さなポリープ(10mm未満)には「コールドスネア」を用いた切除が推奨されており、これは電気メスを使わないため、合併症が少なく安全です。大きなポリープや、形状が複雑なポリープには、「ホットスネア」や「内視鏡的粘膜切除術(EMR)」が使用されることがあります。
大腸ポリープが早期に発見・切除されれば、予後は非常に良好です。特に腺腫やSSLsの早期発見と切除が、大腸がんの予防に直結します。大腸がんは、切除されたポリープの種類や大きさ、数に応じて定期的な内視鏡検査によるフォローアップが推奨されます。
また、人工知能(AI)を用いたコンピュータ支援診断が大腸内視鏡において急速に発展しており、特にSSLsの検出精度向上に寄与しています。AIを活用することで、ポリープの見逃しを防ぎ、診断精度を向上させる効果が期待されています。
大腸ポリープは無症状で発見されることが多いため、定期的な内視鏡検査が推奨されます。特に、50歳未満の若年層における発症が増加しているため、早期スクリーニングの重要性が高まっています。さらに、内視鏡検査によるポリープの発見と切除が大腸がんの予防に重要な役割を果たしており、AI技術の進展によるさらなる診断精度の向上が期待できます。
参考文献
注意:本文の内容には細心の注意を払っておりますが、あくまで参考情報としてご活用ください。本内容をきっかけとした自己判断等により生じた体調悪化などの不利益の責任を負うものではありません。必ず、主治医・かかりつけ医等、医師の診察により自身の病状を判断いただき、適切な検査・治療方針を決定してください。
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