高尿酸血症
高尿酸血症

血液中の尿酸レベルが持続的に高い状態を高尿酸血症といいます。これは、食品などに含まれるプリン体が体内で分解される過程で生じる老廃物です。通常、尿酸は腎臓の働きによって尿として体外に排出されます。
しかし、高尿酸血症では、尿酸が作られすぎるか、腎臓からの排泄が十分に行われないために、血液中に尿酸が過剰に溜まってしまいます。
尿酸値が高い状態が放置されると、尿酸が結晶化して関節に沈み込み、激しい痛みや腫れを伴う痛風発作を起こす原因となります。さらに、高尿酸血症は腎機能障害、尿路結石、動脈硬化といった他の疾患を招くリスクもあるため、早期に発見し、生活習慣の是正や適切な医学的治療を開始することが大切です。
高尿酸血症は大きく「産生過剰型」「排泄低下型」「混合型」に分けられます。
産生過剰型
プリン体を多く含む食品(肉類、魚卵、アルコールなど)の摂取過多、細胞の新陳代謝が盛んな病気(白血病や造血器疾患など)で起こります。
排泄低下型
最も多く、日本人の高尿酸血症の約8割を占めます。腎臓から尿酸をうまく排泄できないために尿酸値が上昇します。遺伝的体質、腎機能低下、肥満や高血圧などが関係します。
混合型
両方の要素が合併して起こります。
高尿酸血症の多くは症状がありません。しかし、放置していると下記のような症状が出てきます。
血液中の尿酸が高い状態が続くと、尿酸の結晶が関節にたまり炎症が起きてきます。これを痛風といい、足の親指の付け根などに生じやすく、痛風発作はあまりの痛みで足を引きずってしまうこともあります。
痛風発作は消炎鎮痛剤などの治療で、1週間~10日ほどで落ち着きますが、治療を中断してそのまま放置すると、関節炎による結節(コブのようなもの)ができたり、腎機能障害や尿路結石のリスクを高めたりします。尿酸の結晶は、血清尿酸値が6.8mg/dl以上で形成されるといわれていますので、6.0mg/dl以下に保つことが治療目標となります。まずは原因となる生活習慣がないかを確認し、運動習慣や食生活を改善していくことが大切です。
高尿酸血症が続くと、血液中の尿酸が腎臓に沈着し、腎臓の細い尿細管に尿酸結晶がたまることで炎症や線維化を引き起こします。これにより腎臓のろ過機能が徐々に障害され、老廃物や余分な水分を排泄する働きが低下していきます。
さらに高尿酸血症は腎臓の血流にも悪影響を与え、腎硬化や慢性腎臓病の進行要因となることが知られています。腎障害が進行すると治療が難しくなるため、尿酸値を早期から適切に管理することが重要です。
尿酸が血液中で過剰になると、尿の中にも多く排泄されます。尿は酸性に傾くと尿酸が溶けにくくなり、結晶が形成されやすくなります。その結晶が集まって固まりとなったものが「尿路結石」です。
尿路結石は尿の通り道をふさぐことで、突然の激しい腰背部痛や血尿を引き起こすことがあります。結石が繰り返しできると腎臓に負担をかけ、腎障害の進行につながることもあるため注意が必要です。尿路結石を防ぐには、水分を十分に摂って尿量を増やし、尿をできるだけ酸性に傾けない生活習慣が大切です。
高尿酸血症は関節や腎臓の問題だけでなく、血管にも影響を及ぼします。血液中の尿酸が高い状態は、血管の内皮細胞に酸化ストレスや炎症を引き起こし、動脈硬化を進める要因となります。
動脈硬化が進行すると、心臓の血管が詰まって「心筋梗塞」を発症したり、脳の血管が詰まって「脳卒中(脳梗塞)」を起こす危険が高まります。また、高血圧や脂質異常症、糖尿病といった生活習慣病と合併することも多く、相互にリスクを高め合います。全身の健康を守るためにも、尿酸値をコントロールすることが非常に大切です。
高尿酸血症の診断は、血液検査で尿酸値を測定することで行います。健診で「尿酸が高い」と指摘されることも多いです。あわせて腎機能(クレアチニン、eGFR)、血糖、脂質などもチェックし、合併症の有無を確認します。尿検査で尿酸の排泄量を測定し、産生過剰型か排泄低下型かを調べることもあります。
治療は「生活習慣の改善」と「薬物療法」に分かれます。
プリン体の多い食品(肉の内臓、魚卵、干物など)を控える。野菜や乳製品を積極的に摂取する。
特にビールや日本酒は尿酸値を上げやすいので注意が必要です。焼酎やワインも適量にとどめましょう。
1日2リットルを目安に十分な水分を摂ることで尿酸の排泄を促します。
適度な運動と食事管理で体重を減らすと尿酸値が下がりやすくなります。
腎臓からの尿酸排泄を促進します。
体内での尿酸産生を抑えます。
急性痛風発作には消炎鎮痛薬やコルヒチンを使用します。
薬は発作が落ち着いてから開始することが基本です。
夜間は発汗や脱水で体内の尿酸濃度が高まり、関節内に結晶が沈着しやすいためです。
ビールは尿酸値を上げやすいですが、それだけが原因ではありません。全体的な食生活・体質・腎機能などが関係するため、総合的な管理が必要です。
尿酸値が高い状態を放置すると合併症のリスクが高まるため、生活習慣改善や薬の導入を検討します。特に尿酸値が8.0mg/dL以上の場合は注意が必要です。
高尿酸血症は自覚症状がなく、健康診断で指摘をされる場合が多いです。高尿酸血症を指摘されたら、すぐに医師に相談しましょう。
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